脚立に上がって洗濯物を干す。シャツに紛れ込んだ靴下を床に落としては顔をしかめて唸る。
鉢から土をこぼす。手から鉛筆が滑り落ちる。箸からご飯粒を落とす。ちょっとした失敗がストレスになる。どうやらなにかを落とすとストレスになる。
仏教僧侶は毎日床を拭いたりトイレ掃除したりする。単なる面倒な雑用ではない。たとえば瞑想は雑用中にもできる。洗濯物を干すのがいやで仕方なくても、干している間に意識を集中させ心を落ち着かせられるかもしれない。マインドフルネスにはまだ疎いが意識してみよう。
意識して1階と2階のトイレ掃除をした。怒らない。外したい便座カバーのボタンがすぐに外れなくても怒らない。便器の使い方を想像しても嫌気ささない。
やるべきことをやり遂げて、晴れやかな気分になった。
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